「おい…怪我は?」 「ううん。突き飛ばされただけだった」 「突き飛ばされた…?」 一瞬焦った風を見せたかっくんだったけど、そう言うとなにかを考え込み始めた。 「……! お前、楽器は?」 「え?」 楽器? 腰が抜けかけていたあたしは、かっくんに支えられて立ち上がり、部屋の中のバイオリンに歩み寄った。 「……!!?」 な……ん……!? 「どう……!?」 閉まっていたはずのケースはこじ開けられ。 それは見るも無惨に……。 「いやあっ……!!」 ……引き裂かれていた。