今度はなんだと、出入り口を振り返る。
「おおー花梨! 来い来い」
「あらま。しゅーへーまでここなんだ?」
「僕もそこが不思議で…」
「なんやとコラ」
ん……。
しゅっちゃん達の知り合い?
それにしても綺麗な人だなあ…。
ボブカットの茶髪がつやつや光ってる。
てかスタイルよすぎ……。
「大人のおねえさんだっ!」
うっかり声をあげると、彼女はあたしに気が付いたよう。
「あら? なにこの可愛らしいの。てか面白いのねなに大人のおねえさんて」
「あ…ども。まおです」
「もしかして君が武藤真緒ちゃん?」
やはり……知られているようです。
「はい、えっと、はい」
「あたし声楽科の高橋花梨(タカハシカリン)っていうのよ。よろしくね?」
「声楽科? へー声が素敵だと思ったら…」
どうりで!
ぽんっと手を叩いた。

