「唯一初心者が入るって話、有名だよ」
「あれま…」
「の、ワリにはなんでSやねんな?」
???
二人の会話についていけず、首を傾げていたときだった。
「キャアーーーッ❤」
聞き覚えのある黄色い歓声が沸きあがる。
入り口のほうに目をやると、案の定……。
「おっ。星野楓やんけ」
「まあ当然彼はここだと分かってたけどね」
ふっと笑いながら前髪を払う仕草が、若干ナルシスト臭かった。
「そら星野楓ほどの実力があれば、SS級でも足りひんで」
「じつりょくで決まんの?」
「そやそや。ほんならなんで真緒ちゃんSやろな? 唯一の初心者やって有名なはずやのに…」
「んー……まおが帰国子女だからじゃなあい?」
「そーなん? …いやでも関係ないやろ」
パリってほら、音楽本場じゃん?

