世界一の君へ、花束を



「寒いね。」

電車を待っていると、城坂くんはそうつぶやいた。

北風がヒュ~と、吹いてきた。

城坂くんの、金色の髪を揺らした。

私の長い髪も揺らした。

「うん。もうすぐ冬だもんねー。寒いのヤダ~」

私は眉間にシワを寄せた。

「俺も。けど、案外好きだよ、こういう季節も。」

城坂くんをちらっと見る。

そんな事言ってる城坂くんの横顔は、異様に綺麗だった。

「私も・・・。実は、好きかも。」

ニッコリ笑った。

確かに、嫌いでもないなっと、思ってしまった。