「なに?」
マジマジと、城坂くんをガン見していたので、気づかれた。
「なんでもないっ」
慌てて目を反らす。
きゃー、恥ずかしいよぉ~~!!
顔が真っ赤になった。
私達は、次の停車駅で電車を降りて、向かいのホームに戻った。
「あのっ、本当にいいの!?だって、逆方向でしょ!?」
勇気を出して話しかけてみる。
「いや。俺、実はこっち方面。家。」
「えっ!?じゃあ、さっきなんであの電車に乗ってたの?」
「・・・間違えた。」
・・・、絶対、ウソじゃん・・・。
ウソついてまで、わざわざ送ってくれなくてもいいのに。
でも、今更「やっぱり帰って!」なんて、言えないし・・・。
ほんと、こんなに優しい人だったんだ・・・。

