目をハートにして、ハルキに話しかける子たち。
ま、まるで女豹...。
ハルキにお近づきになろうと必死なようす。
ハルキ、すごい人気だな...。
あたしは廊下側の自分の席へ着いた。
「あたしね、レミ！よろしくねっ。」
「ちょ、レミっ！私は由香ねっ。」
続々と自己紹介を始めるギャルたち。
まるで、ハルキ争奪戦だ。
「あのさぁ...。」
今まで口を開かなかったハルキが突然口を開いた。
群がる塊の中でハルキは背が高いから、一人ポっと頭が飛び出している。
チラリと見えたハルキの横顔は何だか、めんどくさそうな表情で。
「チャイム鳴ってるし、座んね？
ホラ、もうすぐセンセーがキレちゃいそうだし？」
全員がガバっと一斉に担任の先生の方を見る。
「今すぐ席に着け...。」
先生の顔はピクピク引き攣っていて、噴火寸前。
「ヤバッ...。」
ギャルたちはおとなしく席に着いた。
ハルキも席に着こうとしてるけど、ゆっくりな足取りで。
マイペースだな...。
そのハルキのマイペースさにハラハラする。
先生が噴火しちゃうよ、ハルキ...。
