「そっ、そうなんだ...。」
あだ名付けるの好きだよね、この学校...。
まぁ、王子っていうのはハルキに合ってる。
甘いマスクだし。
どことなくハーフのような感じもするし。
「あ、なんで教室に来たの?」
気になってることを聞いた。
あたしだって、学校にこんな人がいたら絶対に気付くはずもん。
一年の最初から来てないってことだよね?
「ああ...。ちょっとな。」
曖昧に返事をしたハルキ。
そこで、ちょうど良いタイミングでチャイムが鳴り響いた。
「席着けー。」
出席簿と日誌を持った担任の先生が入ってきた。
遅れて登校してきた人がずらずらと続く。
「間に合った~...って瀬戸クンじゃない!?」
「ウソ!初めて見るんだけどっ!」
「初めまして~瀬戸クン!」
ギャル系の子たちはハルキを見るなり、目をキラキラと輝かせる。
そして、我先にと言わんばかりに必死にハルキに群がる。
あたしはすぐハルキのそばから押し出され、離れた。

