「オレ、1-Cなんだけど?」
「...えぇっ!?」
おっ、同じクラスだったのっ!?
全く知らなかったよ...。
「オレあそこの席だし。」
そう言って、教室の端っこを指さした。
考えてみたら、窓側の一番後ろの机はいつも空いてたっけ...。
「...ちょっと待ってちょっと待って!」
留美がものすごい焦った声で、話すあたしたちの間に割り込んでくる。
「るい、王子と知り合いなの...!?」
「...おうじ?...なにそれ?」
今、目の前にいるのはハルキなのに...。
″おうじ″ってどういうこと?
きょとんとしたあたしに、留美は盛大なため息をついた。
「瀬戸 晴希イコール″王子″よ!?
この学園の理事長の息子で、すべてが謎のベールに包まれてるのっ。」
「ふぅん...ってはあぁあ?」
謎のベールって...。
隣のハルキを見ると...
「......。」
何とも言えない、複雑な表情。
「ハルキ、本当なの?」
理事長の息子だとか...
王子だとか...
「...ああ。王子ってのは初耳だけど。」

