いつになっても答えないあたしに、



「...答えらんねぇか。

ま、おいおい聞いてくし?

またな、るい。」



そう言ってポケットに手をつっこんで、去っていくセト ハルキ。

″またな″って、またこの人に会うってこと?


ふわりと通り過ぎようとしたとき、セト ハルキの手があたしの頭をそっと撫でていった。




「...っ!...」






パッと振り向くと、不敵な笑みを浮かべたセト ハルキ。





「...シャツはだけてる。胸見えんぞ。」




......









「...ばっ、ばっ、バカ!何てこと言うのっ。」







そうあたしが慌てふためていると、セト ハルキは目を細めて笑って、今度こそ保健室を出て行った。





何なの?あいつッ!



胸元を見ると確かに若干シャツがはだけていて、今にも見えそうだった。


そんな姿でいたことにショック。

そして恥ずかしくてたまらない。


あたしは保健室でひとり、頬を赤らめていた。


そして、いつしか涙は引いていた。