きっ、きっ、き、キスされてる!?
何!?何事!?これは夢っ!?
神様が見せて下さった夢!?
夢なら覚めて!
いや、違う!覚めないで!
「......っ...悪ぃ...」
そっと唇を離して、出ていく先輩。
まだ唇に先輩の唇の感触が残っている。
あたしは恐る恐る唇に触れた。
あたし、キスされちゃったんだ。
夢じゃあない。
――――先輩。
何でキスしたの?
悪ぃって何よ?
頭の中に雲が広がっていく。
ああ、急展開過ぎて頭が追いつかない...
きっと今あたしの顔は真っ赤でリンゴみたいなんだろうな。
あたしはボール磨きなんてすっかり忘れて、その場に立ち尽くしていた。

