「どっか変じゃない?大丈夫かな?」


「カンペキ、カンペキ。

って何回言わせるのよ!?」



ついに放課後、来ちゃいました!


彼氏とデートがあるって言ってさっさと帰ってしまった留美。

さくらは帰ろうとしたところに、あたしにつかまってしまった。


軽くメイク直しして、柑橘系の香りの香水を少しつけて、歪んだリボンを直して。


さくらにチェックしてもらってる最中♪

気になって気になって、何回も聞いちゃってるけどね。


だって、可愛いって少しでも思ってもらいたいから。




ちなみに部活は、大会に出てるわけじゃないから、自由に参加したり欠席しても構わないのである。




「あ~、楽しみ♪」


「ねぇ、もう帰ってもいい?」


「...さくらもデート?」


「バ・イ・ト!じゃあ、頑張んなね。」




教室を出るさくらに手を振る。



さくらは大きな会社(なんの会社かは疎くてわかんないけど)の社長の娘で、いわゆる令嬢ってやつで。


お金持ちだろうに、毎日バイトに励んでいる。

お金が欲しいわけじゃないそうで、社会勉強の一環らしい。


すごいなぁ、さくらは。

ちょっと変わったところもあるけど、さくらの尊敬できるところはたくさんある。


バイトしてるのに勉強もできるし、スポーツだってまぁまぁ。


そのうえ、可愛いし。

留美、ミドリ先輩に加えて羨ましい...





そんなことを考えていると、






「柚木、」







大好きな人の声があたしを呼んだ。