「昨日、私は先輩に告白しました。

でもキッパリ振られてたんです。

...″アイツ以外と付き合う気ない″って。」


「......。」


「でも、あの部室で瀬戸先輩と手を繋いでたるい先輩を見て...悔しかった。だからあんなことしたんです。

それで、今日の朝、朝練してた市崎先輩がいて...また懲りずに付き合って下さいって言った。

けど、先輩の返事は変わらなかった。

″アイツの返事を待ってるから″って。」



「....嘘でしょ?」


「嘘じゃありません!

私、昨日はあんなことしたけど...。

るい先輩のこと応援してるから!」




そう訴える璃乃ちゃんの目は嘘をついているようには見えないし、こんな嘘つく必要もない。

でも、あたしはなかなかその場から動けずにいた。





「るい。話はわかんないけど...。

アイスマンのこと、好きなんでしょ?」


「...うん。」


「じゃ、行けば?

るいらしくもない。」





留美の言葉にハッとさせられた。


あたしらしいのは、真正面から気持ちをぶつけて、素直なことでしょ?


あたしは、自分の気持ちを伝えることに憶病になって。

自分らしさを失ってたんだね。



「留美、ごめんね!」




あたしは走り出した。


大好きな人のもとへ。