「璃乃ちゃん...。

爽司が好きなの?」



「はい。」



キッパリと答える璃乃ちゃんの目は、針みたいに鋭い。

意思の強い瞳が、あたしを射す。




「私、見ちゃったんです。倉庫でのコト。

...チャンスだって思いました。」



二コリと微笑む璃乃ちゃん。

でも目は全然笑っていなくて、ゾクリと寒気がする。


「やぁっと消えたな、ってね。」




天真爛漫で、屈託のない笑顔を見せていた璃乃ちゃんが...

クスクス笑っている。

天使みたいに見えた可愛らしい顔が、

今は悪魔みたいに見えた。




わずかに震えだすあたしの手を、もう一度ハルキがぎゅっと握った。



明らかになってく、みんなの気持ちに...

頭がついていかない...。