唄恋。

初めて彼女と会ったのは、高校の入学式。

何となくやり過ごしていた入学式の最中、フと視界に入ったのが彼女だった。


高校生、と言ったらどのような姿を思い浮かべるだろうか。

きっと今どきの高校生を思い浮かべるだろう。

髪は茶色や金のような明るい色、短くなったスカート。


彼女は、そんな高校生たちの中に埋もれる事なく、そこに居た。

普通より長いであろうスカート。少し大きめのセーラー服。

…そしてその原因となっている小柄な体型。

後ろから眺めるだけでもとても浮いて見える。


どんな人なんだろう、きっと真面目な人なんだ…と俺が勝手に納得している間に入学式は終わっていた。