母親参上

次の日は土曜日だった。
この時期の小児科はよく混むので、母は予約開始時刻に、電話を試みる。

プープープープー…

話し中の合図だ。

出遅れたか!
なんだか、昔、チケットとる為に、何度も電話をかけやっと繋がったと思ったら、良い席は完売…とかあったなと、残念な過去を思い出す。
さすがに、それほどではないものの、結局取れた順は5番目だった。

病院に着くと、待たされることもなく、診察室に通された。

インフルエンザ的には、確実に回復に向かっているとのことだった。
腹痛に関しては、じか中毒…
聞き慣れない病名に戸惑いを見せると

「最近多いですが、点滴をすれば、驚くくらい良くなりますからね。」

そう言われて、星太は40分ほどの点滴を受けた。
頂いたプリントによると、病気のせいで、ストレスが溜り、吐気や腹痛を起こす…と言った感じだ。たしかに、良く似た症状だ。

これで痛いの治るね。
母は、いや、彼自身も、そう思っていた。