母親参上

足早に去って行く誰かのお母さんを少し見送って、先生はこちらを向いた。

「あ、おまたせしました。どうぞ。」

「はい。」

軽く頭を下げながら、母は教室に入った。

閉めきられた教室は、むしっと暑く、二人きりの教室は、妙に広く、これから、何を言われるのか、軽く緊張しながら、言われるままに席についた。

木の椅子は、母の小学生のころのより、遥かに上質になってるようにも見えたが、座ってみると、なんだか懐かしさを覚えてしまった。