母親参上

「ほんま、赤ちゃんはかわいいなぁ…。星太はいつの間にかこんなに大きくなったけど、こんな時もあったのになぁ。」

母は、36時間の微弱陣痛の末、お腹をぐいぐい押してもらってやっと出た、星太の出産秘話を、赤ちゃんを見ながら話してやった。

「星太がポテチ食べたい食べたいって言うし、仕方なく食べたら、めっちゃ太って、出産するとき、大変やったわ。」

「なんでやねん。ママが食べたかっただけやろ!。」

「ちゃうで~。星太がお腹の中から、テレパシーで、食べたいもの送ってきたんやで!。」

冗談だか、本気だか分からないような会話をしたりして、ある意味、母と息子は、二人だけの時間を有意義に使っていたのかも知れない。