母親参上

術後の様子や、点滴の取り替えで、深夜もたびたび看護師さんが入ってきた。

母は案の定、ぐっすり眠ることなどできなかった。

朝が来ても、頭がすっきりせず、ぼ~とした感じが残っていた。

朝食の音がする。
しかし、星太はしばらく食事を許されない。
許可がでてから、お粥の上澄みから始まり、3分、5分、7分、白米になっていく…。大丈夫かな…星太は、鍋奉行ならぬ、米奉行なのだ。
炊きたての白米じゃないと、普段から、とても嫌がるのだ。残り飯で、ばれないように、保温時間をリセットし、なにくわぬ顔で食卓に出してみても、

「これ、昨日のご飯やん。」

と箸を付けない事があり、父親に、

「贅沢言うな!飢えで苦しんでる人を思えば、たまに、残り飯でも感謝して食べんかい。」

そう叱られ、泣きながら食べた。