母親参上

「どっちにしても、今日は帰れませんよ。」
先生は最後にそう言っていた。入院は決定なのだ。

「もしもし、パパ？。」

母はこの時、初めて旦那に電話をした。母は３人を連れて総合病院に行っていたことを、帰ってから報告すれば良い程度に考えていた。
ところが、実際は、手術するかしないか、どっちにしても、入院は決定であるむねを相談するはめになってしまったのだ。

「星太の状態が悪く、盲腸の疑いがあるねん。でも、それも疑いであって確実やないみたい。」

「なんやそれ！お前どこ行ってるねん。」

「実は小児科からまわされて、総合病院来てるねん。診てもらってから、後で連絡しようと思っててん。」

「あほか！なんで早く連絡入れへんねん。行く前でも、着いてからでも電話できたやろ。」

怒られてしまった。母はこんなことになるなんて、思ってなかったんだもん。ちょっと安易に考えすぎたか…。