母親参上

診察室に入ると、星太のレントゲンや、MRIで撮ったであろう写真が目につく。

「盲腸の疑いがあるので検査しました。血液検査でとても強い炎症反応がみられるのに、星太君は、この反応ほどの痛みを訴えていません。始まりがインフルエンザなので、ただ腸が何かで炎症起こしてるだけかもと思い、盲腸であると決定する材料が欲しくて、MRIを2回させてもらいました。」

そうか、それでこんなに時間かかったのか…
「でも、結局決定的なものがなく…お母さん、ここに石のようなの写ってるの分かります?」

ん~、確かになんかある。でも、母にはよく分からない…。

「これがね。盲腸らしき物なんですよ。ただ、それが、今出てる炎症反応のものとは、開けてみないとなんとも…。」

あんな待たされたのに、こんな結果だけなんて…どうしたらいいんだ。

「手術するか、薬で様子みるか、お母さんどうします?」

ええ!それを私がここで決めなくてはいけないのか!

「しゅ、手術するとしたら、いつになるんですか?」

「いますぐ、始めます。」

「あ、あの…私一人で決めてしまって良いのか…。主人に電話させてください。」

そう言って、母は電話すべく診察室を離れた。