「お兄ちゃん!お兄ちゃんてばっ!」

「あっ……ごめん」

千夜の呼びかけにも反応できないくらい、俺は一人で干渉に浸っていた。

「……私、やっぱ先に帰るね」

「?」

「そろそろ煙の効果もきれる頃だし、私の分まで楽しんで来てよ!亜実さんと!!ってなわけで邪魔者は退散します〜」

そう言い放つと彼女は自前のハンググライダーを広げて飛び立った。

「な、なんだよそれ!!」

つ─か!あんなもんまで持っていたとは。どこまで用意周到なんだ……恐るべし我が妹!!



……はぁぁ。



千夜のヤツ、勝手なことばかり言いやがって!これからど─やって説明すりゃいいんだよ……第一、俺は留守番って言う設定じゃなかったっけ?


でも、まぁ、
あいつが誘ってくれなきゃ、今回の一件には関われなかったわけだし……
ごちゃごちゃ考えるよりもまず、



『ありがとう』



くらいは言ってくるかなっ!





END