「……」

幸いにも敵の姿は、そこには無かった。

だけど…

「はぁはぁはぁ…どうやらチェックメイトだな」

彼の敵…先ほどから彼を追いかけてた黒服の一団が彼に追い付いたのだ。

左右は高い壁…そして敵の居ない反対側は…行き止まり

つまり

「袋のネズミって訳だな」

必死に逃げて来たのに…それも全て水の泡

彼の横顔に生暖かい汗が滴り落ち頬を伝っていた。