そして隆之介は撮影現場を後にして飲みに行った。

途端に撮影スタッフ達から緊張の色が失せる。

「はぁ〜何事も無く無事に済んで良かった」

これが居合わせた全ての人間の心境である事に疑いの余地は無い。

そもそもあれだけ自分勝手な男にワガママのかぎりを尽くされたら殺意を抱く者が一人や二人現れてもおかしくない。

この世界で生き残る為には敵の一人や二人当たり前ではあるが、それ以上に味方を作れる人間的魅力が必要だが…

「あの傍若無人のワガママくんは、解ってるのかな?」

誰ともなしに囁かれた一言…

もちろん肯定する者など居やしない。