「よし、まずは乾杯しよーぜ。」


カラフルなチューハイの缶を抱えて、ユウトがキッチンから戻ってきた。


私は黄色い缶を手に取り、缶を開けると、プシュッと鳴った。

缶に口をつけようとした時、

“ちょっと待って!”と、ケンは立ち上がって、少し咳ばらいをした。


ニンマリと笑い、みんなを見渡しながら、乾杯の音頭を取り始めた。


「今日はクリスマスだというのに 、オレたちには残念ながら、と いうか、偶然にも彼氏、彼女は いません。
 しかし、オレたちには……――」


「あぁーもぉー!!
 長い!!」


痺れを切らしたのか、レナが立ち上がった。


そして、ケンを横に押して、笑顔で一言。


「カンパーイ!!」


私たちも笑いながら、“カンパーイ”と缶をぶつけ合った。


レナはグビグビと一気飲みをした。


両目をキュッとつむり、“プハー”と満足そうだ。


それに比べ、ケンは“大事なとこだったんだぞ”と若干、ショゲている。


そんな二人に私はクスッと笑ってしまった。


口の中で弾ける炭酸がやけに爽やかに感じる。





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