Sleeping dream

壁に右脚をかけると、

彼の手が私の腿を撫でて、余計に刺激する。


――チンッ


唇を離した時、ドアが開いた。


彼に肩を抱かれながら、


カラオケボックスを出た。

外は廊下よりずっと寒い。

冷たい風が肌を掠める。



いつものこと。

お持ち帰りされるのはもう慣れた。

今まで数え切れないほど経験してきた。



周りには人工の光に巻かれた建物が立ち並んでいる。

チカチカするネオンが私を嘲笑うように見えた。

その下をたくさんの男女が肩を寄せながら、歩いている。


彼の左腕をギュッと掴んだ。


「どうした?」


「何でもない……」



誰かにしがみついておかないと、

人混みに流されて、消えてなくなってしまう気がする。


誰かにしがみついておけば、自分がいることがわかる。



――私は弱い人間だから。




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