「愛、今日みたいにさ、またどっ か行こうよ。
 それと、もっといろんな事話そ う。」


私が横を見ると、彼は私を見ていた。

私は逸らすことなく、彼を見る。


「疲れた時とか愚痴りたい時とか 何でもいいよ。
 話したい事あったら、ここに来 てよ。」


「例えば、何?」


「例えば?
 そうだな。
 今日のおじさん、キモいかった ー!とか?」


彼はふざけながら言っている。

私がクスッと笑うと、彼はまるで母親みたいに私の頭を撫でた。


「いつか海も見に行こ。
 綺麗な海。」




今だから、言えることだけど、

海は私にとって、暗い暗い闇みたいなものだった。

私の過去も未来も沈めることができるような深い闇。


でも、ユウと見る海だったら、暗い闇の向こうには光輝くものが存在しているのねかもしれない。

ちょっとだけ思った。





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