Sleeping dream

行くところもなくなって、ユウの家へ行った。



二度目の甘い甘いミルクティー。

この甘さは彼の声といい勝負だ。



冷えた体をミルクティーが優しく温めてくれる。


部屋にあるのはやっぱり数少ない家具と二つの湯気。


ミルクティーに口をつけようとした時、ユウが話を始めた。


「覚えてる?
 小四の時、俺ら一緒のクラスだ ったんだよな。」

「そうだったっけ?」


彼は“覚えてないの?”と驚いたのか、大きな目を一層、大きくしている。


本当にあまり覚えてなかった。

今から、五年以上昔の事は記憶の奥底に埋まっている。



「まぁ、いいや。
 お前、普段は子供なのに、たま に子供っぽくなくてさ。
 子供ながらに思ったよ。」


確かに、その時にはすでに子供らしくする事を意識していた。


校庭で長縄をしたり、ドッジボールをしたりすることが面倒に思えた。

誰々ちゃんに好きな男の子がいるというくだらない話にも耳を傾けているフリをした。

仲立ちをやれと言われれば、一応、務めた。


どれもこれも自分自身の評価を上げるため。




最低なガキだ。





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