Sleeping dream

駅はすごく賑やかだ。

たくさん人がいる。



「じゃあ、行くね。」

改札の前までが二人でいれる限界の地点。

「うん。
 気をつけてね。
 今日は本当にごめん。」


「ううん。
 割と、楽しかったよ。
 気晴らしにもなったし。
 あと、マフラーありがとね。」

彼は優しく頷いた。

「じゃあね。」

彼も私に“じゃあね。”を返したのを聞くと、私は改札に切符を通した。

小さな穴の開いた切符を取り、数歩歩くと、私は後ろを振り返った。


「ユウ!」







何でこんな事をしたのかは分からない。

でも、何故だか体がそうしなきゃいけないと思ってしまった。



彼も振り返り、私を見ていた。


「また…電話してもいい?
 用件とかないかもしれないけど さ。」


彼はいつものニコニコ顔になった。


「いつでも大歓迎。
 オレも電話するから。」

私も気付いたら、ニコニコ顔になっていた。

私が彼に手を振ると、彼も私に大きく手を振ってくれた。






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