マンションから出ると、もう真っ暗だった。
息を吐くと、白くなるほど、寒い。
彼と私は駅に向かった。
「寒っ。」
私はコートの中のカイロを握りしめた。
彼は自分の水色のマフラーを私の首に巻き付けた。
私は驚いて、彼を見た。
「愛ちゃんが風邪ひいちゃ嫌だか らさ。」
「でも、これ、あんたのだし、悪 いよ。」
「要らなかったら、今度返してく れたら。」
マフラーを鼻先まで持ってくる。
微かに彼の香水の匂いがした。
「あと……。
愛ちゃんさぁ、髪、ストレート の方が似合うよ。
メイクも薄めの方がいい。」
彼は少し上を向きながら言った。
「分かった。
じゃあ、私の事、“愛ちゃん” って、呼ぶの止めて。
そんな風に呼ばれるの、あんま り好きじゃないの。」
「じゃあ、オレの事もちゃんと、 “ユウ”って、呼んで。
“愛”って、呼ぶから。」
彼は私を向いて言った。
私の目を見ながら。
「分かった。」
彼は“なら、よろしい!”と、言って、大きく頷いた。
息を吐くと、白くなるほど、寒い。
彼と私は駅に向かった。
「寒っ。」
私はコートの中のカイロを握りしめた。
彼は自分の水色のマフラーを私の首に巻き付けた。
私は驚いて、彼を見た。
「愛ちゃんが風邪ひいちゃ嫌だか らさ。」
「でも、これ、あんたのだし、悪 いよ。」
「要らなかったら、今度返してく れたら。」
マフラーを鼻先まで持ってくる。
微かに彼の香水の匂いがした。
「あと……。
愛ちゃんさぁ、髪、ストレート の方が似合うよ。
メイクも薄めの方がいい。」
彼は少し上を向きながら言った。
「分かった。
じゃあ、私の事、“愛ちゃん” って、呼ぶの止めて。
そんな風に呼ばれるの、あんま り好きじゃないの。」
「じゃあ、オレの事もちゃんと、 “ユウ”って、呼んで。
“愛”って、呼ぶから。」
彼は私を向いて言った。
私の目を見ながら。
「分かった。」
彼は“なら、よろしい!”と、言って、大きく頷いた。
