Sleeping dream

――♪〜♪〜♪〜

彼の携帯が鳴った。

彼は“ごめん。”と、言って、ソファから離れた。

彼が座っていた所に私の手を乗せた。

確かに彼の体温があった。

それは彼が今までここにいた事のしるし。

私の手にその体温が伝わってゆく。

彼の方に視線を向ける。


「……えっ、今から!?
 マユ、今日はちょっと……。
 ……分かった。
 じゃあ、七時ね。
 ……うん。うん……。
 ……あとでね。」

彼は窓際で電話していた。

彼の容姿は縦に細長い。

顔も小さくて、バランスが取れている。


やっぱり、見とれてしまう。

彼はため息をつき、携帯をポケットに入れる。


「愛ちゃん、ごめん。
 呼び出されちゃった。」
彼は無理矢理作った笑顔で私に言った。


“女の子?あんたさぁ、 何人いるのよ。”と、私は笑い飛ばした。


「マユでしょ、ナナでしょ、それ から、ミキ。」

指を折りながら、数える。

「モテるねぇ。
 バレたら、ボコボコにされちゃうかもよ?」


彼は“コワーイ!”と、おどけて言ってみせた。