Sleeping dream

予想もしてなかった言葉に何て返したらいいのか分からなかった。

彼はまだ私の髪を撫でている。

私は口を塞ぐようにミルクティーを口に付ける。




「愛ちゃんさぁ、初エッチって、 いつだった?」


「っん……ゲホッゲホッ……
 何よ、いきなり。」

おもいっきり噎せてしまった。

彼は顔色を変えず、私の髪を撫でている。

「いつなのかなって、思ってさ。」


「中二だけど。」



何でこんなこと聞くのよ。
しかも、何で私、答えたんだろう。



まだ温かいマグカップを両手で握りしめる。


「相手はおじさん?」

彼は私の顔を見て、笑った。

「そんな時からおじさんとはヤラ ないわよ。
 二個上の先輩。」

私が口を尖らせて言うと、彼は“愛ちゃんかわいー!”と、私の頭をポンポンと軽く叩いた。

「人には言わせておいて、自分は 言わないんだ?」


“はいはい。”と、言うと、彼は髪を撫でるのを止めた。

本当はもう少しだけ撫でていて欲しかった。

彼の手の温もりがじんわりと髪に残る。







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