Sleeping dream

でも、あえて、彼を探ろうとはしなかった。

私にはこれっぽっちも関係のないこと。

ヤルなら、早くやんなさいよ。

私をあんたのものしなさいよ。





「愛ちゃん、立ってないで座りな よ。」

彼はミルクティーがたっぷり入ったマグカップを二つ持って、私に座るように促した。

私は真っ赤なソファに座ると、彼から渡されたマグカップを受け取った。

ミルクティーの甘い香りが部屋を優しく包み込む。

私はミルクティーを一口飲む。

彼も同時にミルクティーを飲んでいた。





目が合った。何故だか分からないけど、私の唇が勝手に言葉を落とした。

「ヤルんでしょ。」


「何を?」

彼は不思議そうに首を傾げている。


「セックス。」

彼は吹き出して笑っている。

「そういうのは他の女の子達で間 に合ってるから。」


「じゃあ、何で家に上げたりした のよ。」

彼は私の髪を撫でている。
彼の長い指が私の髪を優しく通り抜ける。


「お話したかったから。
 愛ちゃんさぁ、オレと全然話し てくれないじゃん。」