Sleeping dream

ラーメン屋で彼は映画の感想を熱く語っていた。

私はほとんど聞き流して、食べ続けていたが、彼はひたすら話しているみたいだ。



ラーメンを食べ終わろうとした時、突然、彼が切り出した。


「愛ちゃんさぁ、まだ時間大丈夫?」





来た……


やっぱり、ヤルんだ。





「別にいいわよ。」


「じゃあさ、オレん家来ない?」

彼は水の入ったグラスの淵を指先でなぞっている。





もう確実。





「いいけど。」

私は水を一口飲んで言った。


彼は“良かった。”と、一言言うと、ポケットから財布を取り出そうとしている。
私もバッグから財布を取り出そうとすると、“オレ払うからいいよ。”と、私から財布を奪って、バッグに戻した。






今日のデート代が私の値段か……







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