家に帰り、お風呂から上がった後、自分の部屋に入った。

手には紙切れと携帯を持って。





鼓動が高まる。


何よ、恋する乙女じゃあるまいし。



――プルルルルル
    プルルルルル……





気付いたら、番号を押していて、呼び出し音が耳元で鳴っていた。





――プルルルルル…ッ……

「はいはーい。どちら様?」


出た……
あの時の甘い声。


「もしもし、愛よ。」


「愛ちゃん!?
 遅いよー!もうかかってこない と思ったよ。
 でも良かった。明日の日曜、暇 ?映画見に行かない?」



何で夜なのにこんなにテンション高いのよ。

しかも、明日って、意味分からない。



「何で私があんたと明日、映画見 なきゃ行けないのよ。
 意味分からない。
 嫌よ。」


「ダーメ。明日は映画行こうね。
 十時に迎えに行くから。
 じゃあね。」

――……ッツーツーツーツー


切れてしまった。


ほんの一瞬の出来事。


家、知ってんの?

ってか、行くつもりないし……





その日は疲れていたせいか、そのまま眠ってしまった。





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