電車に揺られながら、私は窓の外を見ている。


移り変わる景色をぼんやりと見つめながら、ユウトの隣にいる。




向かいの席に座っている私たちと同い年くらいのカップルは手を絡めながら、寄り添っている。


時折、目を合わせて、微笑み合う。


それに比べて、私たちの間にはまだ距離がある。


この距離感が友達と恋人の差なのだろう。


でも、二人の間に流れるゆっくりとした空気は嫌いじゃない。


だから、私の心の中で膨らみかけたユウへの思いも時間が解決してくれるだろうと、どこかで思っていた。




ただ過ぎていく繰り返しの毎日を大切にして、女になっていけばいい。





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