「愛?」


ユウトは心配そうに私の顔を覗く。


「大丈夫?
 疲れてんじゃねぇ?」


私は彼の顔を見上げて、“大丈夫だよ”と答えた。


彼はそれでも、私の事を心配してくれる。



ユウトはやっぱり優し過ぎるよ。


ダメだな、私。



「今日は真っすぐ家帰るか。」


私の頭を優しく撫でてくれた。


「ユウト、ごめんね。」


私の手が彼の手を包む。


彼は眉をハの字にして、笑った。


「気にしなくていいから。
 そのかわり、今度、何か奢れよ♪」



違う……

ユウト、違うの。


私が貴方の側にいるのは、

たぶんあの日の償い。


貴方の事を心から愛しているわけじゃない。


このまま黙って過ごしていけば、私たちはカップルになるかもしれない。


今だって、そう見えると思う。


でも、私、このままでいいのかな……


これから先も貴方を傷つけることはない?





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