Sleeping dream

ドアを開けると、

電気も付いていない暗い部屋。


目が慣れていなくて、はっきりとはまだ物の形は見えない。


ほんの一時間前までここでクリスマスパーティーが開かれていたなんて信じられない。


ユウトは私の手を引く。


私は彼のTシャツにプリントされている紫色の文字をぼんやりと見ているだけ。


――ガチャッ


ユウトの部屋に部屋に入った。


まず目に飛び込んだのは淡いブルーのシングルベッド。


ベッドのすぐ上にある窓から僅かに月明かりが零れている。


神聖な場所と勘違いするほど、綺麗に見えた。


そこに導かれるように私たちは歩いた。


ユウトは私をベッドの端に座らせると、切なそうな顔をして言った。


「やっぱ、やめよ。
 きっと、後で後悔する。」


私は蝋人形のようだった。

感情はどんどん消えてゆき、

蝋が溶けるように涙を流すことしかできない。


私はユウトを見つめた。



――助けて……


  沈んじゃう……





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