Sleeping dream

次第に足のスピードが速くなる。


あの場から一刻も早く離れたかった。


取り乱すことなんて今まで無かったのに、


こんなに胸が苦しくなることなんて今までなかったのに、


全部ユウのせいだ。



あの夜から、

貴方が私の目の前に現れたあの夜から、

私は振り回されてばかり。





本当は声が聞きたい。


本当は今すぐ抱きしめたい。





でも、貴方の隣には私と同じ価値を持つ子がいる。


今夜はあの子を抱くんでしょ?


私じゃなくて、

貴方の隣にいた可愛い子を。



どうしようもない気持ちを道にぶつけるかのように私は無我夢中に走った。


ユウの近くにいたいという想いとは裏腹に私の体は磁石が反発し合うように彼から離れようとする。


「きゃっ!」


バランスを崩して、倒れそうになった時、

後ろから腕を掴まれた。





.