Sleeping dream

仲良く腕を組んで私たちとは逆方向から歩いて来た若い男女。


どうみても、恋人同士。


まさかと思った。


こんなところで会うはずはない。


根拠のない言葉が次から次へと頭の中でこだまする。


私の心臓は高鳴り、足が動かなかった。



――ユウ



「愛？
　どうした？」


ユウトはその場で立ち止まっている私に気付き、後ろを振り返って、ナオトと不思議がっている。


ユウトの声は私の耳には入ってこなかった。


目の前の光景を受け入れることができない。



わかっていた。


ユウには女たちがいて、私もその中の一人。


でも、この気持ちは何なんだろう。


悔しい気持ちや寂しい気持ちが入り交じったような胸が裂けるような気持ち。



下唇をキュッと噛み、私の体は小刻みに震えている。


気付いたら、私にどんどん近づいてくる二人から逃げるように来た道を戻っていた。



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