Sleeping dream

この数分間で私の肩とすれ違った人は何人いただろう。


大きなプレゼントを抱えたサラリーマン、

肩を寄せて歩いているカップル、

これから彼氏に会いに行くお洒落な女の子、


何度も何度もケータイで髪型を確かめる男の子、


今日は特別。


街中が愛で満ち溢れる日。


真夜中にはサンタクロースが子供たちの元へ訪れ、プレゼントを届ける。


恋人たちは暗闇の中で愛を囁き合っているのだろうか。


みんな幸せ。





そんな幸せの中から見つけてしまった。


見たくなかった。


あと一時間、いや三十分帰る時間がずれていたら、見ずに済んだのに。


どうして……


どうして、こんなに胸が痛いのですか?





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