私の敵はチビ会長






『ちょっ進?痛いんだけど…』




廊下を通り過ぎ体育倉庫の前でやっと止まった進はニヤニヤしながら振り返った


怖っ…。




軽く身震いしながら辺りを見渡してみる。まばらな気配がする…



中学校の時軽くやっていた剣道で身に着けた気配をかんじれるようになった



普段必要ねぇんだけど…。




『おい、進。こんなとこに連れて来てなんだよ?』

『う〜ん?秘密!!いいから恭こっち来て?』

『…なんだよ?秘密って…』




そう思いながらも聞こえてないのかグイグイ引っ張ってくる進に渋々付いていった


古い倉庫の前で止まると辺りをキョロキョロし始めた進



そして、ケータイでなにか打つとニヤと笑った



…ぜってぇくだらないこと考えてんな…。




『おい?いい加減教えろよ?』

『えぇ〜?もうちょっと待ってよぉ。ところで!!恭の腕ってもう治りつつあるの?』



ギブスではめられてる俺の腕を疑視してくる進から


腕を遠ざけ庇うように後ろへ下げた





『見んなよ…。まぁ…あとちょっとってとこだな?』

『さすがだねぇ〜♪一ヶ月って言ってたのにね!!』

『はっ俺をなめんなよ!?』



得意げに言う俺なんか無視して進はまたケータイをいじくりだした


…んだよ。おまえが聞いてきたくせに




ふてくされながらなんとなく倉庫のほうを見た


あれ…?なんで開いてんだ?



倉庫は人が一人通れるぐらいの間が開いていた…


普段誰も使わない古い倉庫だから開いてるはずなんてないのに…




不思議に思いながら進にも確かめようと前を向いたとき





『確保ぉぉおおおっ!??』

『え?え?うわっ!?』




突然5人ぐらいが目の前に現れたと思ったら


抵抗の暇もなく布を被され力で押さえつけられた



あまりにも突然だったから反撃しようにも体が反応できなかった



ちょっ!?はぁぁああ!!?