<恭哉>
志穂と分かれて遅れて授業に参加した
でも担当の先生は俺が遅れても怒ることはなく、理由さえも聞いてこない…
…信用しすぎだろ…
都合がいいから黙って席につく
『え〜…ではここ。藍川くん解いてみて?』
女の若そうでいかにも新任って感じの先生が俺のほうを見る
なんで…俺?
いま授業入ってきた奴に解かせるなよな…
まあ、指名されたからには答えなくてはいけない
『はい…。x=357y=62ですか?』
『正解です♪よくできましたね!!』
教室中はうるさいくらいに女子の歓声に包まれた
てか…ほんとにうるさい
眉間にしわを寄せながら、なぜかテンションを上げた先生を見ていたら、目が合ってしまった
そして先生は小さくウインクすると頬を赤らませた
え…?なに?
意味がわからないことに戸惑う
でも授業は進んでいくからしかたなく俺は席に着いた
『なんなんだよ…?』



