私の敵はチビ会長






【〜♪〜この長い長い下り坂を〜君を自転車の後ろにのせて〜ブレーキいっぱい握りしめて〜ゆっくり〜ゆっくり〜下ってく〜♪〜】






ッ!!




あたしの耳にあたしの大好きな曲





【夏色】が流れた








あたしは俯き気味だった顔を上げ、流れ場所を探すように辺りをキョロキョロする



いくら探しても場所は分からず、ただ絶えず流れるだけ





電車からの龍而の叫び声はもうあたしの耳には届かなくて…



あたしの頭も心も夏色一色












そして、


走馬灯のように頭の中に流れる数々の映像













会長と初めて二人っきりになってあたしが会長の腕を折、

無理矢理生徒会長にされた












会長があたしが怖いからって夜遅いのに送ってくれた
そのときマフラーを巻いてくれた会長の笑顔に初めて胸が痛んだ












学園祭はあたしのために色々やってくれて、この曲も聞かせてくれた

この学園祭であたしは会長を好きだって自覚したんだ











あたしの誕生日を忘れてて腹が立ったけど、

最後には恥ずかしがりながらも用意してくれてすごい嬉しかった












会長に元カノがいて、それが亜姑だって分かったときはショックで、

なにも話さないで一人で抱え込む会長にすごく不安になったけど

亜姑の話を聞いて会長がどれだけいい奴か分かってもっと好きになった












バイトで偶然会って欄さんのこと誤解されて、


郁さんに広めてて…


水城さんとも付き合ってるかもしれなくて…