私の敵はチビ会長












『おっもうすぐ、くんな!!』




ガヤガヤと人の喋る声や機械音がうるさい



あたしはそのなかで浮くほど暗い
















今は駅のホーム




龍而の提案であたし達はいまから電車で新しくできた大型デパートに行く






だけど駅には人、人、人



満員で時間帯が少し遅れるらしくあたし達は見事にそれに引っ掛かった




すこしの隙間に二人で座り、密着するなかでも手は繋いだまま


















水城さん…



会長と付き合ってるのかな?




でも、沙織の部屋で王様ゲームしたとき、


会長が梓菜ちゃんとキスしたのを見てあたしはすごい傷ついたのに…




水城さんは平然としてた










あれは、もうなんとも思ってないから?

フラれて諦めたから?



それとも付き合ってるからこそださなかったの?








考えれば考えるほど、泥沼にハマっていくように不安が大きくなっていく



それが、すごい辛い…












でも…




会長、会いたいって言ったじゃん



話たいって言ったじゃん



あたしが離れてくのが怖いって言ったじゃん







離れてってるのは…







会長のほうだよ










あのときの会長の表情がどんどん嘘に見えてくる



そんな自分がもっと嫌で








泣きたくなる…

















『…志穂、行くけど、いい?』

『…あ、うん。』