私の敵はチビ会長






弾む会話に自然と笑顔が増える


空気も自然と軽くなってさっきまでの重い空気は消滅した








でも、あたしの心のなかはモヤモヤしてて…


決して表情に出さないけど複雑な心境のまま












もうすぐ5時…



いまから行けば15分前にはつける



ここからは5分全力疾走すれば間に合うし、まだ大丈夫






こんなことに頭をつかってるから完璧に会話が成立するはずもなく…



あたしは何度も聞き逃したり、違うことを言ったりする






それでも笑ってくれる龍而は本当に優しいと思う





なにボケっとしてんの、あたし!!


龍而といまいるんだから会長のことなんて…







どうでもいいじゃん













『あ!見えた。結構いんね…早く行くか!』

『うん!残ってるかな…』

『さぁ?それは運しだいだから』





適当なことを言いながら笑みを浮かべた龍而は本当に早い



あたしもなんとか必死に付いてって、やっとクレープ屋さんについた




ハァ、ハァ!!


もう走れない!!

てか、走りたくない!!




肩で呼吸してるあたしを微塵も乱れてない龍而が心配そうに見たあと


龍而は自分の顎のところにある台に手をつきお金をだす





『おっちゃん、クレープ二つある?』

『あんちゃん彼女かい?あいにくあと一つしかねぇな。ま、運がいいと思いな』




ニャと笑い見を乗り出して、数段小さいあたしを見下ろす


あたしは会話が聞こえなかったため、ペコと頭を下げるだけ





『おっちゃん見んな。もったいねぇ』



クレープ屋のおじさんの頭をわしづかみにすると押し戻す龍而


表情はどことなく怒ってる様子