『……藍川くん…。』
『…小川?』
『……う、うん…そう。ごめんね…?』
『はぁ?なに言ってんの。そんなのお互いさま』
え…?
なに、
これ?
皆と少し離れた所にいる会長と黒髪の女の子、小出ちゃん
あたしは二人の姿から目が離せなくて釘付け
会長が謝る小出ちゃんに笑いかけると、
首を少し傾げ小出ちゃんの腕を掴んでゆっくりと顔を近づける
ドクン
会長の横顔が見える
目を少し細めて、でもいつもみたいなきつくなくて…
優しく見つめてる
ドクン
本当はどれだけ早いんだろ…
あたしの中では嫌というほどながくて
見たくないのに、離せない
ドクン
胸に添えられた手からだんだん早くなる鼓動が伝わってくる
それは痛いくらいに強く鳴り響いて
あたしの心を揺さ振った
もぉ…
嫌…
チュ
小出ちゃんの頬に会長がキスした音
あたしは反射的に目をつぶった
見えてもかわりはないのに…



