後ではその様子を葉月先輩と絡んでいた沙織が心配そうに見つめたり
時計をなんども確認してイライラした様子で葉月先輩を叩いたりしている
そんな様子もあたしは気づかずにただ黙って天井を仰ぐ
『…志穂ちゃんさ……恭哉のこと…好きでしょ』
ッ!?
急に放たれたその言葉はたしの胸にグサッと刺さって、それはナイフさながら
思わず胸を手で押さえて驚きの表情で欄さんを見る
天井を見ていた欄さんも視線を感じたのかあたしと向き合った
そしてあたしを見ると楽しそうにクスと笑みを零す
『わかりやす!!…顔真っ赤だし』
『え、そんなことない!!』
否定はしたものの、
欄さんの言うとおり、確かに顔は熱くて…
それに気づくと余計に赤くなる
『プ…図星?……好きなら好きっていえばいいじゃん?』
『ッ!!?…す、好きでもないし、そんなこと…言えない…から。』
平然としてようと思ってもいつもと違う、苦しそうな声しかでない
欄さんに言われると心が見透かされてるようで不安になる
あたしは目を合わせないように顔を背ける
それをよく思わなかったのか、欄さんはあたしの肩を勢いよく引っ張った
っ!!
踏ん張りきれなかったあたしは勢いよく倒れ、欄さんのももに顔をぶつける
『いた…』
バン
『悪い!!先生に呼び出されて…』
絡まる視線
あたしは欄さんのももからで、あっちは玄関先で
顔に冷や汗が伝う
それは妙に気持ち悪くて、悪い予感しかしない
『……会長…』



