<恭哉>
『あ〜ッ!!たくッ!!…なんだってんだよ!』
ブツブツ文句を言いながら俺は何故か敷地内の中庭に向かっていた。
静かで誰もいない場所は、今の俺にとっては落ち着いて心地好い
真新しいベンチに腰を下ろして飴をしゃぶる
『…っ』
カランと飴の音が耳に届く。
ん?
なんかいま…声がした?
ベンチにもたれ掛かって後ろに垂らしていた頭を持ち上げる。
聞こえたかも分からない声に耳を傾けた
結局なにも聞こえない。
『なんだ…気のせい』
ガサ
『んっ…ぁ…』
…やっぱり。
今度は鮮明に聞こえた
嫌な想像が頭の中を駆け巡り顔を歪ませてその方向をじっと見つめる
見たくはないけど…
生徒会長として、風紀はたださないといけない。
自分のものとは思えない程の重い腰をあげ、静かに近づいたそのとき――――…。
『会長ッ!!さっき…』
〜ッ!?
後ろから大きな声で呼ばれ、音もたてないで歩いていた俺は焦ってバッとそいつの口に手を当て塞ぐ
そして近くの茂みにそいつもろとも飛び込んだ
『んッ!!…んんッ!!』
俺の腕のなかでもがき続けるのは苦しそうなすごい形相の志穂…
なんでこいつがここにいるかは知らないけど、危ないとこだ…
たく…
でかい声で呼ぶなよな…
飛び込んだせいで俺の腕の中に包まれるようになっている志穂は、不機嫌そう。
まぁ、急にこんなんされたら誰だって怒るけど。
俺はそんな志穂に苦笑いをしてごまかす



