私の敵はチビ会長






『…会長はそんなこと言わないよ。噂嫌いだし…』


なにも言わない郁さん



『…郁さん、あたしそんなこと言われたら本当に信じちゃうよ?』


ただ頷くだけ。



そして、



『…うん』



…な、んで?

なんで『うん』なんて言うの?


肯定しちゃったら、本当に会長が言ったことになるんだよ?


会長、噂嫌いだし、そんなこと言うわけない。



さっきだってあたしを助けてくれたんだよ?



じゃあ、あれはなんだったの…




『それを聞いたのは、この間の木曜日で…恭哉が生徒会があった日、玲と奈梨と吋香と千香と俺で恭哉の部屋に行ったときに…』



なんにも頭に入ってこない

郁さんの声は聞こえるんだけど、耳を通過して脳には届いてない



会長なんでそんなこと言ったの?

あたし…そんなこと言われるようなこと言った?



会長に本当のこと聞きたい



『俺だけ呼びだして、恭哉疲れた顔で…でも、あいつ…ッ!!おい!!?』




あたしは逃げた


困惑している郁さんを置き去りにして。



逃げないと…郁さんにぶつけてしまいそうで…。





あたしを見つけた沙織が花を咲かせたような笑顔で近づいて来る


でも、俯くあたしを見て一気に表情が曇った。



優しくあたしの肩を掴むとあたしを支えるようにして歩いてくれた



その暖かい優しさに涙を堪えるのが大変だった