沙織に引きずられながら応接間にとうされたあたし達はなぜかお茶を啜ってる


甘くてそれとなくほろ苦いその味は癖になりそう…。



やっと呪縛から解き放たれたあたしは落ち着かず辺りをしきりに見回す



もっと平凡かと思ってたのに…


後悔と戸惑いの嵐が心のなかで吹き荒れる



こんなところで働いたら数日たっただけで別人に変身しちゃう



不安のおもいでいっぱいのあたしに対して沙織は至って普通にお茶を飲む



たいして緊張してもないしだらけきってもない


普段の沙織だ




『…ボソッ…ねぇ、沙織。なんでそんなに落ち着いてられるわけ?』

『…ボソッ…なんでボソボソ言うんだかぁ。だってこんぐらい家にあるよ?』


ポケッとした回答に笑顔であたしを見たあと沙織の視線はあたしから外れた



なぜなら応接間の綺麗に色づけされた扉がギィと鈍い音をたてて開いたから




『あ〜初めまして♪私ここの総合副責任者です。二人とも高校生で?』

『え…あ、はい。同い年です』



テンションと声が少し高めのその副責任者を見たとき目を見開いた


あたしと同じく沙織も愕然として顔を強張らせてる